赤ちゃんの頃には使っていなくても、やがては必要になってくる枕。枕選びは子供の成長にも大きく影響してきます。
枕は何歳頃から使わせたらいいの?目安は?
最初に選ぶならどんな枕?
赤ちゃんに枕は危険?
など、子供の枕選びのギモンを調べてみました!
子供用の枕は7歳頃から用意するのがオススメ
枕が必要になるのは、ズバリ7歳頃から。
小学校低学年くらいになったら、今まで枕を使っていなかった子にも子供用の枕を用意してあげたほうが良いでしょう。
逆に赤ちゃんや小さな子供には枕は必要ないばかりか、身体を痛めたり窒息死の危険性もあるので気をつけてください。
でも、どうして小さな子供には枕は必要ないのに成長とともに必要になるのでしょうか?
枕の役割について、具体的に見てみましょう。
そもそも、ヒトが枕を使う理由
多くの人は、眠るときに枕を必要とします。これは、首の骨(頸椎)に負担がかからないようにするためです。
ヒトが直立二足歩行をはじめたことで、頸椎は5kgほどもある重たい頭を支え続ける必要が生まれました。
そのため頸椎にカーブをつけ、背骨全体をS字カーブにしてクッションとすることで身体にかかる負担を吸収しやわらげているのです。
寝るときに枕が必要なのは、枕がこの頸椎のカーブに添ってマットレスとの隙間を埋めることで寝姿勢を自然な状態に保ち、首や肩の負担を軽くするため。
赤ちゃんや小さな子供はこの骨のカーブがまだできていないため枕は必要ありませんが、骨格がしっかりしてカーブができてくると枕がなければ寝にくくなってきます。
このように枕が必要な年齢になっても枕を使わないでいると、寝つきが悪くなったり、寝返りがうてず姿勢が悪くなったりして睡眠の質が低下し、子供の成長にも悪影響を及ぼしてしまいます。
何歳頃から枕を使ってもいいの?
枕を使ってもいいのは、3歳頃から。
ただし5歳頃までは、枕の使用が子供の身体に負担になることもあるので、必要なければ使わなくて良いでしょう。
子供がまだお母さんのおなかの中にいる頃、赤ちゃんの背骨はSカーブではなくCカーブを描いて丸まっています。
このCカーブの状態は生まれてからしばらく続くため、この時期は枕を使わず背中を丸めて眠ったほうが赤ちゃんにとっては安心です。
首がすわって成長して歩き出し、活発に動く年頃になると、背骨が少しずつS字カーブを描きはじめます。
一般的に、5歳頃までの子供の背骨はまだゆるやかなCカーブの状態で、枕の使用はかえって身体の負担になることもあるといわれます。
また、7歳頃までは身体に柔軟性があるので寝返りもうちやすく、枕は特に必要ないようです。
何歳頃までに絶対必要なの?
柔軟性があり枕なしでも熟睡できていた幼児期も過ぎ、7歳以降になると、骨や筋肉などが大人に近づいてきて身体の柔軟性が少しずつ低下していきます。
グングン身長が伸びる第二次成長期を迎える10~15歳頃には背骨のS字カーブもしっかりしてくるので、この時期に自分に合った枕を使っていないと首に負担がかかったり背中がマットレスに沈みすぎたりしてしまいます。
その結果、いろいろな問題が生じてくるかもしれません。
枕を使わない・枕が合わないことによる問題
●寝違えたり、身体を痛めやすくなる
●姿勢が悪くなり、身体が歪みやすくなる
●眠りが浅くなり成長ホルモンが十分に分泌されず、成長が遅くなる
●口呼吸、いびきがひどくなる
枕を使わないと子供の成長にも影響することがあるので、遅くとも10歳くらいまでには、子供用の枕を用意してあげるようにしましょう。
枕が必要かどうかの判断基準
枕は背骨から頸椎までのS字ラインを睡眠中に保つために必要ということをお伝えしました。
枕を使いはじめる目安は7歳頃ですが、子供の成長によってはそれより早くから使いはじめたほうが良い場合もあります。
お子さんがまっすぐ立った状態で、身体を真横から見て背骨のS字カーブをチェックしてみましょう。
わかりやすい判断基準としては、後頭部と背中のラインがほとんど同じ位置にあったり、頸椎よりも頭が後ろに出ている場合は、子供用の枕を用意してあげたほうが良いといえます。
この状態で枕を使わなければ、背中とお尻が沈みすぎて寝にくいかもしれません。
逆に5歳を過ぎても背中より頭がかなり前にある場合は、姿勢がゆがんで猫背になってしまっている可能性があります。
このような場合にも、正しい寝姿勢を保つため、頸椎と頭をしっかり支える枕が必要です。
赤ちゃんに枕を使うと突然死の危険がある
柔らかい赤ちゃんの頭が平べったい絶壁にならないように、横向き寝のクセがつかないようにと、ドーナツ型の枕を使っているお母さんも多いかもしれません。
ただ、このドーナツ型枕は赤ちゃんが寝返りをうってうつぶせ寝になったとき、窒息の原因になってしまう危険性があります。
ドーナツ型の枕に限らず、ほかの枕やかけ布団、タオルやガーゼ、紐類なども事故のリスクを高めてしまうので、ベッド周りのグッズには気をつけてください。
窒息の危険のあるものは寝ている赤ちゃんの顔のまわりには置かないようにし、下に敷くマットも硬めのものを選ぶと安心です。
子供にはどんな枕を選ぶと良いの?
お下がりでもまあいっか…
などとついテキトーになってしまいがちな寝具ですが、枕は個人によって好みが分かれやすいアイテムです。
できるだけ子供に合ったものを、それぞれ選んであげましょう。
大人用の枕は子供の身体にはまだ大きく、高さがありすぎます。
はじめて使う枕なら、高さは1cm程度のフラットな形状のものが良いでしょう。
成長とともに枕の高さを上げていく必要があるので、価格の高い枕をオーダーしてもすぐに使えなくなります。
枕の中材を出し入れして高さを調節できるもので寝かせてみたり、折りたたんだバスタオルなどで様子を見てみると子供に合った高さがわかってきます。
枕に頭を乗せて仰向けに寝た状態で肩が敷布団につかないで浮いたり、簡単に寝返りがうてないとしたらサイズが合っていません。
新しい枕を使いはじめたときは、朝起きたときにも頭が枕の上にきちんと乗っているかを確認してください。
頭が枕から外れているようなら、その枕は子供に合っていない可能性が高いでしょう。
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寝相が悪くて枕を使ってくれない場合
子供は大人に比べて寝返りが多いので、そのぶん身体も大きく動いて寝相が悪くなりがちです。
寝返りには実は身体のゆがみをとるという大事なはたらきがあるため、たとえ布団を蹴り飛ばしたり身体が180度逆回転していたりといった寝相の悪さでも、特に心配する必要はありません。
ただ、これまで普通に寝ていたのに枕を使いはじめてから寝相が悪くなったり、枕が頭から外れてしまったりするのは、今使っている枕がその子供の身体に合っていないと考えられます。
枕が必要な年齢なのに枕をきちんと使えない場合は、枕の高さを変えてみるなど調整してあげましょう。
まだ小さいのに枕を欲しがる場合
まだ枕がいらないはずの2~3歳の子供でも、親や年上の子供が使っている枕を取って使いたがる場合があります。
「そろそろ枕がほしいのかな?」と思ってしまいますが、幼児が枕を欲しがるのは親やきょうだいの真似をしてみたいだけ。
自分だけの枕を用意してあげると満足する場合が多いようです。
小さい子供に枕を用意する場合は、まだ不完全な首や背骨に悪影響を与えないよう、なるべく高さの低いものを選ぶようにしましょう。